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マーク・キューバンの改心

 ダラス・マーベリックスと聞いて思い浮かべること、ローランド・ブラックマン、デリック・ハーパー、マーク・アグワイヤーの時代、3Jこと、ジム・ジャクソン、ジャマール・マッシュバーン、ジェイソン・キッドの時代、そして最近の、マイケル・フィンリー、スティーブ・ナッシュ、ダーク・ノビツキーのビッグスリーに至るまで、多くのスーパースターを抱えながら、結局優勝を狙うチームにはなれず、いつの間にか空中分化してくいチームという印象だ。しかも原因が、ブラックマンの時代はチームメイトのロイ・タープリーの薬物問題、3Jの時は3人の仲たがいと、プレーを離れた部分となっている。では最近のスティーブ・ナッシュ、マイケル・フィンリーの放出によるビッグスリー解体はどうだったのだろうか。
 マーク・キューバンは2000年よりマーベリックスのオーナーとなった。チームへの愛は強く、アウェーゲームであっても必ず顔を出し、時にはレフェリーに食って掛かり、退場になったこともある。ともかく彼はその愛情から、チーム力強化のため、お金をつぎ込み、それがNBAのサラリーキャップからはみ出そうがお構い無しに、選手を買いあさった。そして彼のチームのスタイルは、ドン・ネルソンがチームを率いていたことも大いに関係あったのだが、ラン&ガンを主体とする、ハイスコアリングゲームだった。当時から、ディフェンスがチームに勝利をもたらすと考えられていたため、このスタイルは異例なものであった。この2つのことから、キューバンはNBAに新風を巻き起こしたといえる。しかしながら、その結果はどうだったのだろうか。残念ながらキューバンの熱き思いは実現には至らなか
った。2002-2003年こそ60勝をあげ、ファイナルまで後一歩のカンファレンス・ファイナルまで進んだが、サンアントニオ・スパーズに敗れた。そしてそれ以後はカンファレンス・ファイナルまでも到達できず、頭打ち感は否めない状況となっていた。しかし、そんな中でもキューバンは昨季一つの決断を下していた。スティーブ・ナッシュのフェニックス・サンズへの移籍容認である。キューバンの財力をもってしてなら、引き止めるなら引き止められた、とも考える放出劇であった。一部、キューバンとナッシュ(ちなみにナッシュはノビツキーと大親友)の確執も伝えられたが、ネルソンのハイスコアリングゲームの要であったナッシュがいなくなったことの意味はつまり、これまでのオフェンススタイルの変化を要求するものであった。そして昨季中に、図らずもネルソンの体調不良により、エイブリー・ジョンソンがヘッドコーチとなった。そして彼のチームは、ディフェンスとチームプレイを主体とするチームになった。そして迎えた今季、キューバンはもうひとつの決断を下す、チームキャプテンのフィンリーの放出、しかもその理由が経済的事情であったことは、これまでのキューバンでは考えられなかったことである。そう、キューバンは数々の失敗を乗り越え、NBAで勝者になるためにNBAを理解し、それにのっとった手段に軌道修正したのだ。選手の買いあさりを止め、ノビツキーの周りにチームプレーのできる若手を揃え、激しいディフェンスで勝利をもぎ取るチームとしたのだ。改心したキューバンの夢はかなえられるのか、彼は今日もコートサイドから熱い声援を送る。
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